腸内フローラを整えるのには、ヨーグルトが良いといわれていますが、その種類はさまざま。どのヨーグルトを買えばいいのか迷ってしまいますよね。
今回は、ヨーグルトの種類別に含まれる乳酸菌、ビフィズス菌を確認して、どのヨーグルトが一番腸内フローラを整える効果があるのかを調べました。
目次
腸内フローラから定義するヨーグルト
ヨーグルトと腸内フローラの関係を、理解するところからはじめていきましょう。
ヨーグルトって何?
牛などの乳に、乳酸菌や酵母などを加えて発酵させた食品のことをいいます。日本では厚生労働省の乳等省令で「はっ酵乳」と位置付けられています。
成分に無脂乳固形分が8%以上、1mlあたりの乳酸菌数(または酵母数)が1,000万以上含まれ、大腸菌群が陰性のものが該当します。
腸内フローラに良いヨーグルトとは?
腸内フローラに良いとされるヨーグルトにプロバイオティクス入りのものが挙げられます。善玉菌が生きた状態で腸に届けば、整調作用に効果があるためです。
そのほかには、腸内フローラに効果のある乳酸菌やビフィズス菌を含んでいるかがポイントになります。乳等省令の基準を満たしていても、商品ごとにこれらの種類は異なります。整腸効果を期待するならビフィズス菌ロンガム種、ピロリ菌を減らすならLG21乳酸菌などさまざまです。
ヨーグルトは、ひたすら腸内フローラの改善に効くのかと思っていましたが、含まれる菌の種類で効能が全く違ってくるとは意外な事実でした。
市販のヨーグルトの腸内フローラの効果を比較
代表的な市販のヨーグルトを種類別に分けて、腸内フローラにどうような効果があるのか、一緒に調べていきましょう。
腸内フローラの効果・効能比較表
明治ブルガリアヨーグルト | ビヒダスプレーン加糖タイプ | チチヤス低糖ヨーグルト | 北海道乳業フルーツサラダヨーグルト | 明治ブルガリアのむヨーグルト | |
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種類 | プレーンタイプ | ナチュラル加糖タイプ | 低カロリー(甘味料入り) | フルーツ入り | ドリンクタイプ |
使用菌種 | LB81乳酸菌 | ビフィズス菌BB536 | ST9618菌、LB9667菌 | なし/不明 | LB81乳酸菌 |
プレーンタイプの効果
明治ブルガリアヨーグルトに含まれるB81乳酸菌が腸内に入ると腸管バリアの中の「抗菌ペプチド」という成分の発現が促進されます。悪玉菌を減らして善玉菌を増やして、腸を健康な状態へと保ちます。
ナチュラル加糖タイプの効果
ビヒダスプレーン加糖タイプに含まれるビフィズス菌BB536は、大腸内に入ると腸内が酸性になり蠕動(ぜんどう)運動が活発になるため、便秘解消に役立ちます。また、大腸がんを引き起こすETBF菌という悪玉菌の増加を抑える効果もあります。
低カロリー(甘味料入り)の効果
チチヤス低糖ヨーグルトではST9618菌とLB9667菌の2つの乳酸菌が含まれていました。どちらも腸内の免疫力を高める善玉菌であるため、健康な身体づくりに効果があるといえます。
フルーツ入りの効果
北海道乳業フルーツサラダヨーグルトでは乳酸菌やビフィズス菌は確認できませんでした。他メーカーも調べてみましたが同様に確認できませんでした。ヨーグルトと謳っているからには乳酸菌は含まれているはずなのですが・・・。
ドリンクタイプの効果
プレーンタイプと同じメーカーの商品で調べてみましたが、ヨーグルトと同じLB81菌が含まれていたので、プレーンタイプと同様の効果が期待できそうです。
一見フルーツ入りのものは身体によさそうですが、腸内フローラ改善の効果は期待できなさそうですね。おいしいのに残念です。
また、甘味料入りは低カロリーにするためですが、体重が気になるヒトにはうれしいものの、腸内フローラにとっては必要なものとは言えないようです。
カロリーや価格など、人気ヨーグルト6種を比較しました。
>>ヨーグルトで腸内フローラや体質改善を目指している方へ
腸内フローラからみた 良いヨーグルトと悪いヨーグルト
ヨーグルトの種類により含まれる乳酸菌やビフィズス菌が違うことが分かりました。腸内フローラにとってどれが良くてどれが悪いのか確認してみましょう。
腸内フローラに必要な乳酸菌とビフィズス菌
どちらも腸に存在する善玉菌でヨーグルトなどの乳製品に使われていて、整腸作用があります。よく乳酸菌=ビフィズス菌と混同されますが、厳密には異なります。
乳酸菌は、糖を分解して乳酸を作りますが、ビフィズス菌には乳酸だけでなく、殺菌力のある酢酸を大腸で作り、悪玉菌の働きを抑えてくれます。
どの乳酸菌やビフィズス菌でも腸内フローラにいいの?
ヨーグルトで利用される動物性乳酸菌は胃酸や消化液で死滅するため、死菌となって腸に届きます。死菌でも善玉菌の養分になったり、免疫作用があったりしますが、生菌と比べて整腸作用は弱い面もあります。
また、乳酸菌は腸内の善玉菌の0.1%しか存在せず、ビフィズス菌の生育環境を整えるのが主な役割です。一方、ビフィズス菌は腸内の善玉菌の99.9%を占めるため、人間のお腹に適した菌といえます。
プレーンタイプ以外のヨーグルトの腸内フローラの効果
善玉菌を増やすには毎日200~300gのヨーグルトを摂取する必要があります。加糖タイプのものには、乳酸菌やビフィズス菌は含まれていても、毎日数百グラムも食べるとなると、糖分のとり過ぎで肥満を招くことになりかねません。
また、フルーツ入りのものは、他の栄養素をとるにはいいかもしれませんが、腸内フローラによい乳酸菌やビフィズス菌は含有が不明なので対象にはならないでしょう。
ビフィズス菌を増やす方法として、ヨーグルトの他にも乳酸菌サプリメントで補給する方法もございます。詳しくは、こちらを参考になさってください。
>>外さない!乳酸菌サプリランキング
腸内フローラに良いヨーグルトとは?
腸内フローラを整える目的でヨーグルトを食べるのであれば、プレーンタイプでビフィズス菌を多く含むものが効果的だといえます。また、乳酸菌入りでも生きたまま腸に届く
プロバイオティクス入りのものだと期待する効果が得られるでしょう。市場にはさまざまなヨーグルトが出ているため、CMやパッケージの見た目に騙されず成分表や原材料をしっかりみて選ぶ必要がありますね。
腸内フローラに効く!毎日続くラクラクレシピ3選
ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、数日で体外に排出されます。そのため、腸内フローラを整えるには毎日継続してヨーグルトを食べなければなりません。今回は、毎日続けられる簡単なヨーグルトのレシピを3つご紹介します。
便秘と美肌に効く「はちみつヨーグルト」
<材料>
- プレーンヨーグルト 1カップ
- はちみつ 適量
<作り方>
すべての材料を容器に入れかき混ぜるだけ。
はちみつにふくまれるオリゴ糖が善玉菌のエサになるため、ヨーグルトとの相乗効果が期待できます。また、はちみつにはビタミンB1やビタミンKも含まれているため美肌づくりにも効果的です。
栄養満点の「バナナヨーグルト」
<材料>
- プレーンヨーグルト 適量
- バナナ 1本
<作り方>
バナナを手ごろなサイズに切ってヨーグルトと混ぜるだけ。
バナナに含まれるフラクトオリゴ糖はビフィズス菌を増やしてくれるため、便秘解消に効果があります。また、バナナは酵素、ビタミン、カリウム、食物繊維とさまざまな栄養素が含まれているため、不足した栄養分を補うのにも効果的です。
女性にいいことづくめの「きな粉ヨーグルト」
<材料>
- プレーンヨーグルト 1カップ
- きな粉 適量
- 黒糖 or はちみつ 甘さが欲しい場合にお好みで
<作り方>
すべての材料を容器に入れて混ぜるだけ。甘さが欲しい場合は黒糖やはちみつを加えてみて。
きな粉も食物繊維や大豆オリゴ糖が多く含まれているため、腸内フローラの環境を整えるのに効果的な食べ物です。きな粉の原料である大豆はイソフラボンも含まれているため、バストアップやアンチエイジング、美肌など女性にうれしい効果がいっぱいです。
どれも身体にいいものばかりで、混ぜるだけの簡単レシピ。これだったらズボラな人でも毎日続けられそうですね。便秘などでお悩みの方は是非試してみてくださいね。
まとめ
乳酸菌やビフィズス菌がたくさんあるように、私たち1人ひとりの腸内フローラの環境も異なります。そのため、人によって「合う」「合わない」のヨーグルトとの相性があります。一定の期間食べ続けてみて、あなたの体質にピッタリ合うヨーグルトを見つけてくださいね。