ヨーグルトが腸内フローラの改善にいいということはよく耳にしますね。ですが、具体的にどのようなヨーグルトを、どのくらい、どのタイミングで食べれば腸内フローラの改善に効果的なのか、疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、ヨーグルトで腸内フローラを徹底改善するための効果的な量や食べ方のご紹介と、目的に特化した効果を期待できるヨーグルトのご紹介もします。
目次
腸内フローラをしっかり改善できるヨーグルト活用術
腸内フローラを改善するといっても、ヨーグルトなら何でもいいわけではありません。また、どのように摂取しても同じ効果を期待できる、というものでもありません。
まずは腸内フローラを効果的に改善する【ヨーグルト摂取のポイント】を3つにまとめました。
ポイント① 自分に合ったヨーグルトを選ぼう
乳酸菌は数百種類もあり、現在私たちが摂取可能な乳酸菌も、かなりの数があります。乳酸菌は、それぞれに個性を持つ生き物で、私たちヒトとの相性があります。そこで一番最初にやるべきことは、自分とぴったり相性の良いヨーグルト選びです。
自分に合ったヨーグルトかどうかを判断する基準は
- 食べ始めてから体調は悪くなっていないか
- 便秘は改善したか
- 便が黒色から、黄色っぽい色に変化したか
- バナナのような形の便になってきているか
- ガスのにおいは和らいだか
- 肌の状態は良くなってきたか
というものがあります。これらを確かめるには、同じヨーグルトを少なくとも2週間程度は続けてみる必要があります。
ポイント② 腸内フローラを改善できるヨーグルトを選ぼう
腸内フローラを効果的に改善すると重要なポイントの一つが「菌を生きたまま腸に届けること」です。選ぶ基準をご紹介します。
- 基準1 : 「腸まで生きたまま届く」「プロバイオティクス」などと表示のある物
- 基準2 : 善玉菌の主役となる「ビフィズス菌」を選ぶ
ビフィズス菌は、ビフィドバクテリウムが学名で、ヨーグルトの容器にはこのどちらかが記載されています。
ビフィズス菌は人間のお腹の中に一番多く棲み、酸を作り出して腸内フローラを良好に保ってくれる、健康維持に欠かせない菌です。
ビフィズス菌の仲間には
ビフィドバクテリウム・ビフィダム
ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス
ビフィドバクテリウム・インファンティス
ビフィドバクテリウム・ロンガム
ビフィドバクテリウム・ブレーベ
がありますが、ちょっとピンときませんね。
ビフィドバクテリウム・ビフィダムは、ヤクルトのBF-1(ビフィドバクテリウム・ビフィダム・BF-1株)に使われています。また、ビフィドバクテリウム・ロンガム種は酸に強く、日本人の腸内に常住している菌で、森永BB536などにも使われています。
- 基準3 : 基準1を満たしている乳酸菌の入ったヨーグルトもOK
ビフィズス菌ではなく、乳酸菌を使ったヨーグルトも腸内フローラ改善に役立ちます。乳酸菌はビフィズス菌を助ける菌、つまり腸内常住のビフィズス菌を活性さてくれます。
ポイント③ 乳製品が合わない人は植物性ヨーグルトがお勧め。
ヨーグルトを摂ると下痢をしやすい人もいますね。日本人には乳製品成分のラクトース(乳糖)を消化できる酵素がない・不足しているからだといわれています。
ラクトースの危険性と解決の方法は、こちらで特集しています。
>>ヨーグルトで腸内フローラや体質改善を目指している方へ
そんな人は、植物由来のヨーグルトがお勧めです!
植物由来のヨーグルトにはラクトースはほとんど含まれていません。植物由来のヨーグルトとしてはKAGOMEの「ラブレ」や、亀田製菓の「植物性乳酸菌ヨーグルト」などがあります。
自分に合うヨーグルトにすぐ出会うことは、できないかもしれません。ですが、せっかく健康を考えて毎日摂取するものです。「自分に合う」と納得できるものを見つけ出したいですね!
各種ヨーグルトのコスパやカロリーについては、こちらで計算しています。
>>人気ヨーグルト6種 比較表
ヨーグルトの摂取量はどのくらいか。
腸内フローラをヨーグルトで改善できるということはわかりましたが、どのくらいの量を摂取していけば腸内フローラを改善するのに効果的なのでしょうか。
一日の量:200gから300g
腸内フローラの改善をヨーグルトメインで行うとするのであれば200g~300gの摂取が必要と言われています。
ただし、ヨーグルトでおなかの調子をくずしてしまうのであれば、ヨーグルト以外の乳酸菌を多く含む食品(味噌、キムチ、塩麹 など)で補うことも考えてみましょう。
ヨーグルトの摂取、なぜ一日200g~300gなの?
農学博士・微生物学者である光岡知足氏は、毎日250mlのヨーグルトを摂取しているとインタビューで述べています。ほかにも生物学者・東京大学農学博士の辨野義己氏はテレビ東京の番組において400gを摂取していることを話しています。
ただしこの量は自分に合った量が大切なので、一般的には多いようです。
また、数々のヨーグルトを使った実験では、100g・150g・200gなど量によって出る結果の違いから、200~300gで効果が出やすいと想定しているわけです。
ほかにもヨーグルトの量についてはいろんな意見があるのですが、摂取量はある程度基準があるものの、消化機能は人それぞれです。ですから無理して摂取量を守るより、自分に合った摂取量を見つけるのも重要そうですね。
ヨーグルトを摂取する好ましいタイミングは。
薬は「食前・食後」などのように飲むタイミングが指示されていますが、ヨーグルトは食べるタイミングなどは表記されていません。それでもヨーグルトに含まれるビフィズス菌などを少しでも多く腸まで届けるには、やはり摂取するタイミングというものがあるようです。
オススメの摂取タイミングは。
ビフィズス菌や乳酸菌などは、胃酸の影響をうけやすいという特徴があります。つまり胃酸が最も薄くなる時期がヨーグルトを食べるタイミングなのです。
他の食べ物も胃の中に入っていると、自然と胃酸も薄くなるので、ヨーグルトは食後の摂取がオススメです。
ヨーグルトの食べ方
食べるタイミングは食後とお話ししましたが、ヨーグルトの効果をさらに高める工夫がありますので、ご紹介しましょう。
ビフィズス菌や乳酸菌のエサも一緒に摂取する
ビフィズス菌などは、オリゴ糖などのエサを食べると働きが活発になります。ここでひと工夫。
食後にヨーグルトを食べるなら、食事でオリゴ糖を摂取しておくことです。オリゴ糖を含む食材としてはリンゴ、玉ねぎ、キャベツ、大豆、はちみつ、醤油など、比較的普段から食べやすいものにも含まれています。
これで、ビフィズス菌が活発に働かせることができるのです。
どのくらいの期間食べるべきか。
ヨーグルトの効果を引き出すには食べる期間も大事です。ヨーグルトの効果を実感するまでに最低2週間はかかるといわれています。
また、この期間に腸内フローラの改善ができたら、その後もヨーグルトを毎日摂取し続けることで、改善した腸内フローラを良好に維持できます。
腸内フローラの改善ができ、うまく維持できれば、免疫力を向上させたりアレルギー反応を抑えることも可能です。自分の体と話し合いをしつつ、続けて摂取していきましょう。
腸内フローラ改善だけじゃない。効果別のヨーグルト。
ヨーグルトを摂取することで、インフルエンザの対策や老化予防などの効果も期待できることがあります。効果別のヨーグルトを、季節ごとに食べ分ける方法をお伝えします。
腸内フローラ改善+インフルエンザ対策
例年インフルエンザにかかりやすい人、風邪をひきやすく治りにくい人なら、いつもは明治ブルガリアヨーグルトを摂取し、腸内フローラの改善をし続けます。
インフルエンザの流行る1~2ヶ月前から「明治R-1ヨーグルト」に切り替え、風邪をひきやすい季節が終わったら、またいつものヨーグルトに戻します。
インフルエンザ対策ができると話題の「明治R-1ヨーグルト」は、ラクトバチルスブルガリクスOLL1073R-1乳酸菌が使用されており、インフルエンザや風邪の予防に効果的と言われています。
R-1ヨーグルトを半年間程度毎日、小中学生に食べてもらった実験では、近辺の小中学生と比較してインフルエンザを発症したこどもの割合が減少したというものです。
注意:R-1はインフルエンザに特化したヨーグルトなので、要所要所で使うことが効果的だそうです。
腸内フローラ改善+老化防止
アンチエイジングを考える方で、腸内フローラも改善したいなら、「LG-21ビフィズス菌」です。ヨーグルトは整腸効果があるために老化防止にも役立つのですが、とくにLG-21ビフィズス菌が効果的だそうです。
腸内フローラ改善+肌改善
腸内フローラを改善しつつ、肌の改善ができるヨーグルトを選びます。美肌効果があるといわれている乳酸菌が「LB81乳酸菌」です。
LB81乳酸菌を含んでいるヨーグルトは「明治ブルガリアヨーグルト」で、パッケージにも【LB81】と大きく表示されています。
腸内フローラ改善+アレルギー対策
アレルギー症状を緩和する働きがあるのは「L-92乳酸菌」です。
L-92乳酸菌はアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症に有効であるという研究結果があります。L-92乳酸菌を含むヨーグルトはカルピスの「守る働く乳酸菌L-92」です。
アトピー性皮膚炎の改善について
出典:Int. Arch. Allergy Immunol.,154,236-245(2011)/日本アレルギー学会春季大会(2006年度)
通年性アレルギー性鼻炎の改善について
出典:Y Ishida. Et al.: J. Dairy Science, 88, 527-533(2005)
花粉症について
出典:Biosci.Biotechnol.Biochem.(2005)/Medical Science Digest(2009)
まとめ
とくに腸内フローラのことを意識するわけでもなく「好きだから」「健康にいいから」となんとなくヨーグルトを食べている人もいるのではないでしょうか。
しかし、せっかくヨーグルトを食べるのであれば、今までの「なんとなく食べていたヨーグルト」を「目的をもって食べるヨーグルト」に変えて、腸内フローラ環境を徹底的に改善してみようと思いますよね。
腸内フローラの改善において、ヨーグルトと乳酸菌サプリメントはどちらが良いのか、こちらで特集しています。
>>ヨーグルトで腸内フローラや体質改善を目指している方へ