このところちょっとしたブームになっており、あちこちで目にする機会も増えた甘酒。
みなさんはお好きですか?
古くから日本人が楽しんできた、ほんのりとした甘さと優しい味に「癒される」という方も多いのではないでしょうか。その甘酒ですが、実は腸内フローラの改善にも役立ってくれるのです。甘酒と腸の関係性についてに、詳しく知っていきましょう。
目次
甘酒には種類があった!間違わずに選ぶには?
甘酒には実は「酒粕から作るもの」「米と麹から作るもの」の2種類があります。このうち、腸の働きをよくしてくれるのは後者です。
発酵の力でほんのりとした甘さが生まれる!
酒粕から作る甘酒は酒粕に水と砂糖を加えてできたものです。
一方米から作る甘酒では、米のデンプンを麹のアミラーゼという酵素が分解し糖に変えるという「発酵」が行われています。
この糖が甘酒のほのかな甘味のもとになっていて、実は砂糖は全く加えられていないのです。そして、こちらは「甘酒」といってもアルコール分がないため、子供でも安心して飲むことができます。
栄養豊富な「飲む点滴」
米と麹から作られた甘酒は、発酵を経て栄養の豊富な飲み物になります。
その栄養価の高さは、「飲む点滴」といわれるほどで、その中のオリゴ糖や食物繊維が腸内フローラを改善してくれるとされています。
このように、栄養が豊富なのは「米と麹から作られた甘酒」のほうです。甘酒を購入するときには必ず確認してみてくださいね。
思わずうれしくなるほど?甘酒の豊富な栄養素
それでは、甘酒に含まれているのはどんな栄養素なのでしょうか。
体になくてはならない必須アミノ酸
甘酒は天然の必須アミノ酸を多く含んでいます。
必須アミノ酸は体内では十分に合成することができないため、食物から摂取しなくてはなりません。タンパク質を構成する材料なので、体を作るもととなり、美しい肌を作るためにも不可欠です。
脳が唯一エネルギーにできるブドウ糖
甘酒にはブドウ糖(グルコース)が20%以上含まれています。ブドウ糖は脳にとってのただ一つのエネルギー源となり、筋肉を動かすためにも必要です。また、血糖値を上げやすい糖分なので、満腹感を高めてくれる働きもあります。
腸の善玉菌を増やすオリゴ糖
糖質の一種であるオリゴ糖。
その中でも胃や小腸で消化されにくいものは大腸まで到達し、ビフィズス菌のエサとなって増殖するのを助けます。ビフィズス菌は腸内フローラの善玉菌に属する腸内細菌です。
「美容のビタミン」と呼ばれるビタミンB群も含まれる
ビタミンは必要とされるのは微量ながら、体がスムーズに働くように整えてくれる栄養素です。
甘酒には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6 、葉酸などのビタミンB群も含まれ、これらは肌のターンオーバーを助けたり、代謝をアップさせたりする働きをします。
ミネラルが体の機能を調えてくれる
甘酒からナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラルも摂取することができます。ミネラルは体を構成する成分にもなり、また体の機能の維持や調節に必要な栄養素です。
便秘予防に役立つ食物繊維
人の消化酵素では消化することのできない食物繊維も甘酒に含まれており、これも便秘の予防などに役立ちます。甘酒100g当たり0.4gの食物繊維を摂取できます。
米と麹しか使われていないのに、発酵の結果こんなに栄養豊富になるのには驚きますね。江戸時代には庶民の栄養ドリンクとして幕府も勧めたほどだったようです。
甘酒の栄養が腸内フローラを改善する理由
甘酒の中には、腸内フローラを改善してくれるような栄養素も含まれていましたね。それぞれどんな働きをするものなのでしょうか。
オリゴ糖が善玉菌を優勢にする理由は?
甘酒に含まれるオリゴ糖は途中で消化されることなく大腸まで届き、腸内フローラの中の善玉菌であるビフィズス菌のエサとなります。
そしてビフィズス菌を増殖させることによって善玉菌の数を増やし、悪玉菌よりも優勢になるように助けます。
食物繊維が腸内フローラの細菌バランスを改善してくれる
また、食物繊維も腸内フローラを改善するためになくてはならないものです。食物繊維には2種類あり、水に溶けるほうが水溶性食物繊維、溶けないのが不溶性食物繊維です。
この中で水溶性食物繊維のほうは善玉菌のエサとなって増殖させ、腸内フローラの細菌バランスを改善してくれます。
不溶性食物繊維は便の量を増やして柔らかくするため、便が出やすくなり便秘を予防します。そのため腸がきれいになりやすく、悪玉菌が増えにくくなり、腸内環境がよくなるのです。
いかがですか、オリゴ糖と食物繊維のこのような働きにより、腸内フローラの強い味方となってくれるのです。これらがおいしく取れる甘酒は、毎日でも飲みたい優秀な食品といえるでしょう。
ただし同じ『酒』でも『甘酒』とお酒では腸内フローラへ与える効果が違います。お酒から摂取するアルコールについて知りたい方は、下記記事も合わせてお読みください。
さらに腸内フローラの働きをよくする!甘酒アレンジレシピ
冬でも夏でも飲みやすい甘酒ですが、そのまま飲んでいるだけでは飽きてしまうことも・・・
ちょっとアレンジしたレシピで、味のバリエーションを楽しんでみてはいかがですか?また、組み合わせるものを工夫することで、腸内フローラへの改善効果をさらにアップすることができます。
甘酒+ヨーグルトで善玉菌をもっと届けよう!
【材料】
- 甘酒 100ml
- プレーンヨーグルト 100ml
【作り方】
材料をよく混ぜるだけの簡単レシピ。
同じ発酵食品であるヨーグルトにも乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌がたくさん含まれています。そのためより多くを腸に届けることができ、腸内フローラの細菌バランスを改善できるレシピです。
飲みやすく食物繊維もたっぷりのバナナ甘酒
【材料】
- バナナ 1本
- 豆乳 100ml
- 甘酒 150ml
【作り方】
材料をミキサーにかけて混ぜるだけ。またはバナナをマグカップに入れてスプーンでつぶし、豆乳と甘酒を混ぜるだけでもよい。食物繊維の豊富なバナナも、腸内フローラの改善を助けてくれる頼もしい味方です。
バナナと腸内フローラに関する記事を読みたい方は下記リンクからどうぞ。
冬にピッタリ!ほっこり甘酒ココア
【材料】
- 甘酒 100ml
- 豆乳 100ml
- ココア 大さじ2
【作り方】
ココアを少量の豆乳でよく溶かし、火にかける。混ぜながら他の材料を加える。
ココアも不溶性食物繊維を意外に多く含んでいます。夏にはココアを溶かすときにだけ火にかけるようにして、あとは冷たい材料を混ぜるようにすればよいでしょう。
温かくても冷たくてもおいしい甘酒ぜんざい
【材料】
- 甘酒 200ml
- 水 100ml
- こしあん 大さじ3
- 塩少々
【作り方】
甘酒、水、塩を温め、こしあんを溶き入れる。冬場は火にかけて温める。
あずきの外皮に含まれるサポニンは排便をスムーズにする働きがあり、食物繊維も豊富です。
ちょっと意外でしたが、甘酒はさまざまな食材と合うようです。また、飲み物だけでなく料理にも使えますので、工夫しながらいろいろと試してみるのも楽しいですね。
甘酒に含まれる酵素は温度が高過ぎると働くことができません。50℃以下なら安心ですので、火にかける場合は注意してくださいね。
まとめ
甘酒には腸内フローラの善玉菌を増やすサポートをしてくれるオリゴ糖や食物繊維がたくさん含まれていました。また、発酵させることによってお米にはなかった栄養素が多く生まれており、吸収率もよくなっているのです。
甘酒を購入する場合には、賞味期限は短くなりますが加熱殺菌の行われていないものを選んだほうが生きた酵素を取り入れることだできます。
腸内フローラ改善に期待できる甘酒、今まで飲んだことがなかったという方も、ぜひ食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。