おふくろの味の定番である切り干し大根。
優しい味わいでご飯が進みますよね。切り干し大根は腸内フローラに良いという話をたびたび耳にしますが、実際どうなのでしょうか?切り干し大根の栄養価と切り干し大根が腸内フローラにどのように働きかけるか調べてみました。
目次
生の大根よりも切り干し大根の方に栄養があるって本当?
生野菜には酵素やビタミンCが豊富です。この事実からすれば、大根も【切り干し大根】よりも【生の大根】の方が、栄養化は高いだろう・・・と思っていませんか?
実は、まったくの逆、生よりも干してある【切り干し大根】方に栄養素がたっぷり含まれています。
生大根 vs 切り干し大根 栄養素ならどっちが勝る
切り干し大根と生の大根の栄養素を比べると・・・
切り干し大根の方が生の大根よりも
- カリウムが14倍
- カルシウムが23倍
- 食物繊維が16倍
- 鉄分が49倍
- ビタミンB1とB2 も10倍増
ただ、大根を天日干ししただけでこんなにも栄養価がアップするなんて驚きですね。
天日干しすると大根の栄養素が上がる理由
日光を浴びることで大根本来の旨味が糖化され栄養素が凝縮されるからです。さらに、紫外線や酵素で縮合反応が起きることで栄養素は増加します。生の大根は90%以上が水分からできていますから、大根を天日干しして水分を蒸発させ乾燥させます。
すると、大根自体の栄養素は残ったままであるため、同じ量の生の大根と切り干し大根の栄養素を比較すると切り干し大根の方が多くなるのです。
大根を育てるのに太陽の光は欠かせませんが、陽に当てることで収穫後も大根の栄養素をアップさせる働きがあるとは意外な事実でした。
身体にいいことづくめの切り干し大根の栄養素
切り干し大根に含まれる栄養素が私たちの身体にどんな効果があるのか一緒に見ていきましょう。
高血圧を防止するカリウム
高血圧を予防し、筋肉の働きを円滑にします。そのほかにも腎臓の老廃物の排泄を促進する働きがあるため、身体のむくみを防いでくれます。
骨を強くするカルシウム
骨や歯を丈夫にするだけでなく、動脈硬化や高血圧の予防にも効果があります。さらに興奮や緊張を和らげ、イライラを抑える役割もあります。
大腸がんの予防や便秘に効く食物繊維
不溶性食物繊維のリグニンが多く含まれているため、大腸がんの予防に効果があります。また、不溶性食物繊維は便秘解消にも効果的です。そのほかにコレステロールを排出する役割があるため、動脈硬化の予防にも役立ちます。
下記記事では食物繊維と腸内フローラの関係をさらに知ることが出来ます。
貧血を防止する鉄分
女性が不足しがちな鉄分が多く含まれているため、貧血防止に効果があります。また、鉄分には免疫力をアップする役割もあるため、口内炎も予防できます。
栄養素をエネルギーに変えるビタミンB1、B2
糖質、タンパク質、脂質の三大栄養素をエネルギーに変換するため、私たちの身体を作るのに欠かせません。また疲労回復にも効果があります。
切り干し大根って地味な食材ですけど、こうしてみると身体にいいことづくめですね。普段の食事にもっと積極的に取り入れたいものです。
切り干し大根が腸内フローラをよくする理由
切り干し大根は腸内フローラに棲む細菌たちの御馳走「食物繊維」が多く含まれています。切り干し大根の食物繊維が腸内でどのような働きをするのか確認してみましょう。
善玉菌が増えて便秘を解消
切り干し大根に含まれる不溶性食物繊維は消化されないため、大腸に届くと善玉菌の養分になり、悪玉菌を排出してくれます。善玉菌は排便に欠かせない蠕動(ぜんどう)運動を助ける役割をもっているため、便秘解消に効果があります。
コレステロールを減らし大腸がんを予防
この食物繊維のリグニンは、コレステロールを減らし、善玉菌を増やす役割があるため、大腸がんや大腸ポリープを予防してくれます。
脂肪の蓄積を抑え肥満を防止
バクテロイデスという日和見菌は通称「ヤセ菌」と呼ばれ、食物繊維を養分として短鎖脂肪酸という物質を出します。短鎖脂肪酸は血液を介して身体中に運ばれ、余分な脂肪の蓄積をおさえるため、肥満防止にも役立ちます。
切り干し大根と一緒に納豆や漬物などの発酵食品や玉ねぎやゴボウなどのオリゴ糖を含むものも食べると、これらも腸内フローラを整えてくれる食品であるため、相乗効果が期待できます。
腸内フローラを改善する切り干し大根の簡単レシピ5選
良いことづくめの効果を期待できる【切り干し大根】を毎日の食生活に取り入れやすいように、使いまわしのきく≪切り干し大根簡単レシピ≫を5つご紹介します。
一人暮らしの方、料理は苦手、主婦の方、みんなに使っていただける便利なレシピ、ぜひ試してみてくださいね。
簡単定番の切り干し大根の煮物
切り干し大根といえばやっぱり煮物です。和食のご飯の副菜に。
<材料(2人分)>
- 切り干し大根(乾燥) 30g
- 油揚げ 1/2枚
- にんじん 20g
- みりん 大さじ2
- しょうゆ 大さじ1と1/2
- だし汁 1と1/4カップ
<作り方>
- 切り干し大根はもみ洗いをし、水に20分ほど浸して、食べやすく切る。
- 油揚げは熱湯をかけて油抜きをして、短冊切りにする。
- にんじんをせん切りにする。
- 鍋にすべての材料を入れ、ふたをし、沸騰したら柔らかくなるまで弱火で煮る。
切り干し大根チップス
切り干し大根は水に戻すと鉄分が20%、カリウムと糖質が60%、うまみ成分が98%も減ってしまいます。そのまま素揚げすれば切り干し大根の豊富な栄養素を逃しません。
<材料(作りやすい量)>
- 切り干し大根 50g
- 揚げ油 適量
- 塩こしょう 適量
<作り方>
- 水を湿らせたペーパータオルで、水で切り干し大根の汚れを落とす。
- 150℃程度の低温の油にして、焦げ付かないように箸でかき混ぜながら揚げる。
- ほんのり色づいたら油から取り出し、塩こしょうをかける。
旨味が凝縮された切り干し大根のスープ
切り干し大根を使った手間いらずのレシピ。忙しい朝や仕事から帰ったあとの夕飯にオススメです。
<材料(1人分)>
- 切り干し大根 5g
- 鶏がらスープの素 小さじ1
- ねぎ 適量(お好みで)
- 塩 適量(お好みで)
- 熱湯 150ml
<作り方>
材料をいれてコップにお湯をそそぐだけ。お好みでねぎや塩をかけてみて。
最近はやりの切り干し大根のヨーグルト戻しサラダ
ヨーグルトの乳酸菌と切り干し大根の食物繊維の相乗効果で腸内環境がさらにアップします。
<材料(作りやすい量)>
- 切り干し大根 30g
- ヨーグルト 90g
- 薄切りハム 1枚
- きゅうり 1/2本
- マヨネーズ 大さじ1~2
- 塩こしょう 適量
<作り方>
- 容器に切り干し大根とヨーグルトを入れて、まんべんなくかき混ぜた後にふたをして冷蔵庫に8時間寝かせる。
- ハムときゅうりは千切りにする。きゅうりの水気をとるため塩をかけ、しばらくしたら水気を絞る。
- 1と2をあわせ、マヨネーズと塩こしょうで味つけする。
ピリ辛味がおいしい切り干し大根のキムチ炒め
腸内フローラを整える乳酸菌がたっぷり含まれたキムチとの相性はバツグン。炒めているうちに切り干し大根の水分が戻るため、栄養分はそのままです。
<材料(食べやすい量)>
- 切り干し大根 50g
- キムチ 150g
- 油 適用
<作り方>
ざく切りにした切り干し大根をフライパンで軽くいためた後に、キムチを入れて一緒に炒める。
今まで切り干し大根は煮物しか思い浮かばなかったのですが、予想以上に色んなレシピがあるのですね。料理のレパートリーが増えてうれしいですね。
大根以外の野菜にも腸内フローラを整えてくれるものがたくさん存在します。気になる方は下記記事も合わせてお読みください。
まとめ
切り干し大根に含まれる食物繊維が、善玉菌を増やして便秘や大腸がん予防する効果や、日和見菌が肥満防止に役立ち腸内フローラを整えることがわかりました。
切り干し大根は身体にも良いだけでなく、料理のレパートリーもたくさんあります。普段の食事に上手に取り入れて毎日腸内フローラを元気にしていきましょう。