健康・美容効果があり、さまざまな種類が販売されているヨーグルトですが、乳酸菌やビフィズス菌はとても種類が多く、それぞれに特徴があります。
なかでも今回はグリコ乳業の朝食bifixに注目し、その菌の特質・特徴や効果・効能を掘り下げることで腸内フローラにどのような影響を与えるのか考察していきます。
目次
朝食bifixに使われている菌について
グリコ乳業が開発し、朝食bifixに使われている菌は「GCL2505株」。ヒト由来のビフィズス菌です。
どうやって見つけ出された菌?
グリコ乳業では、酸に強く、腸に多く届く強い乳酸菌を探し出すことに重点を置き研究を始めました。
しかし腸内で乳酸菌よりもビフィズス菌のほうが多いということに着目し、外から直接ビフィズス菌を取り入れることへ方向転換して、ビフィズス菌の研究が始まりました。
そしてグリコ乳業にある約1万株もの菌株コレクションのうち、約2000株のビフィズス菌株の中から酸に強いビフィズス菌GCL2505株を選び出したということです。
どんな目的で開発された菌?
腸内フローラを整えるには腸内の善玉菌を優勢にすることが重要ですが、その代表がビフィズス菌で、ビフィズス菌が増えれば善玉菌全体が優勢になります。
しかし、ビフィズス菌は加齢やストレス、偏食などの影響で減ってしまうため、食品で摂取して増やし補うことを目的として研究、開発されました。
朝食bifixに使われている菌の特質・特徴
bifixことGCL2505株には他のビフィズス菌と違う特質・特徴があるといいます。それはどのようなものなのでしょうか?
酸に負けない強い菌!
多くのビフィズス菌や乳酸菌が酸に弱い中、bifixは酸に強く、多くが生きた状態で大腸まで到達するため、腸内フローラを整えることができるということが大きな特徴です。
グリコ乳業によると空腹時の胃酸の濃度と同じ酸性の液に2時間おいても、約40%のビフィズス菌が生存していたとの研究結果があります。
お腹で増えるすごい菌!
ビフィズス菌は腸に届いたあと、増殖することが分かっています。腸にビフィズス菌を持たない人がbifixを摂取した結果、翌日の便には、摂取した数倍から数十倍のbifixが含まれて排出されるのだそうです。
1週間程度は増殖を続けて腸内にビフィズス菌が多い状態が続くため、毎日でなくても、2~3日ごとに摂取すれば良い、というのは大きな特徴です。
朝食bifixの効果・効能って?
では、bifixを摂取したことで体にどんな良い影響が得られるのでしょうか。
ヨーグルトには基本的な健康効果がある
ヨーグルトは商品や種類によらず、共通して得られる健康効果があります。
朝食bifixで得られる効果には、カルシウムの働きで骨を丈夫にしたり、乳酸菌で腸内環境が改善されることにより免疫力が向上、タンパク質の働きで筋肉や肌を丈夫にする、などがあります。
bifixに特化した効果は?
ビフィズス菌などの腸内細菌は食物繊維から「短鎖脂肪酸」という有機酸を作ります。短鎖脂肪酸は悪玉菌の増殖を抑える作用や、腸のバリア機能を高めてウイルスや病原菌から体を守る働きがありますが、bifixは生きて腸に届くため、この短鎖脂肪酸を産生する働きが強いのです。
短鎖脂肪酸が増えることで得られる効果は、どのようなものなのでしょうか。
便秘解消
ビフィズス菌が腸内で増えると、短鎖脂肪酸が増えて腸内が酸性になり、大腸の粘膜が刺激され、ぜん動運動が活発になります。
また、便が大腸に留まる時間が長くなると便の水分が減って硬くなってしまいますが、短鎖脂肪酸が便の水分を防いでくれるため便秘解消に効果があるのです。
実際に、便秘傾向の人がbifix入りのヨーグルト100gを毎日1個2週間摂取したところ、便中のビフィズス菌量と排便の回数が増加し、便通の改善が見られたという研究結果があります。
(出典:江崎グリコ株式会社http://net.glico.jp/bifix/reports/reports_02.html)
メタボ対策
メタボリック症候群は、内臓に脂肪の蓄積が原因で高血糖や高血圧などが引き起こされる状態で、過剰なカロリーによって、エネルギーが脂肪細胞へ多く蓄えられています。
腸から吸収された短鎖脂肪酸が大腸の細胞を刺激すると、インスリン分泌を刺激して血糖値を下げたり、食欲を低下させたりする「グルカゴン様ペプチド(GLP)-1」というホルモンの分泌が促されます。
これによって脂肪細胞に作用して脂肪が蓄えられるのを防ぐだけでなく、エネルギーが筋肉で消費されやすくする働きがあるのだそうです。
実際に、肥満のマウスにbifixと高脂肪食を7週間毎日継続して与えた結果、内臓脂肪の蓄積が抑えられ、さらに、大腸のGLP-1も増えたという研究結果があります。
(出典:江崎グリコ株式会社http://net.glico.jp/bifix/reports/reports_03.html)
つまり、朝食bifixで腸内フローラはどうなるの?
Bifixのいろいろな効能を見てきたところで、腸内フローラはどう変化するのか核心に迫りましょう。
bifixを摂取すると生きて腸まで届き、増殖するだけでなく、短鎖脂肪酸を多く産生しますから、当然悪玉菌は殺菌・静菌され、腸内は善玉菌優位となり腸内フローラは整った状態になるのです。
つまり、bifixは腸内フローラ改善に高い効果が期待できるということですね!
朝食bifixを使った超簡単レシピ
腸内フローラ改善に効果を発揮してくれるbifixをさらにパワーアップするレシピをご紹介します。
bifixで便秘解消レシピ
《大根はちみつヨーグルト》
大根の豊富な水溶性食物繊維が便を柔らかくするほか、はちみつのオリゴ糖が腸内フローラを整えるのを助けるため、便秘解消に効果的なレシピです。
【材料】
- 大根おろし 大さじ2
- bifixヨーグルト 200g
- はちみつ 大さじ2
- 【作り方】
- 材料を混ぜるだけ!
《バナナbifix》
バナナには腸内で短鎖脂肪酸に変換されやすい成分が含まれるほか、ビフィズス菌を増やすオリゴ糖が豊富なので便秘解消効果が高いといわれています。
【材料】
- バナナ 1本
- bifixヨーグルト 1パック
【作り方】
バナナをつぶして混ぜるだけ!凍らせてもジェラート風になっておいしいです。
:便秘解消へアドバイス
納豆や漬物などの発酵食品には善玉菌が多く含まれるため積極的に摂取しましょう。また、食物繊維には水溶性・不溶性があるため、なるべく両方をバランスよく摂取できると良いですね。
食物繊維の代表格であるごぼうの食物繊維は不溶性なので、水溶性食物繊維を含むこんにゃくや海藻、果物を一緒に摂取するようにしましょう。
bifixのメタボ対策レシピ
《明日葉スムージー》
明日葉は体脂肪の蓄積を少なくする効果があると注目されているほか、豆乳の大豆たんぱく質はコレステロールなどの脂質の上昇を抑える働きがあります。
【材料】
- 明日葉 2本
- bifixヨーグルト 70g
- 豆乳 250g
- バナナ 1/4本
- レモン汁 1/4個分
- はちみつ 大さじ1
【作り方】
すべてミキサーにかけるだけ!
《乾物bifixヨーグルト》
乾物をヨーグルトにひと晩浸けこむと、ヨーグルトに含まれる水分(ホエー)を吸い込んで食感よく戻り、乾物の食物繊維とヨーグルトの乳酸菌やビフィズス菌を一緒に摂取できるため、健康的な料理ができます。
【材料】
- 乾物(切り干し大根・高野豆腐・乾燥わかめなど)
- bifixヨーグルト
【作り方】
乾物の重さに対して、野菜類なら3~5倍、海藻類なら8~10倍の重さのヨーグルトを目安に、用意した容器で乾物にヨーグルトが絡まるように混ぜ、蓋をして冷蔵庫で8時間程度おき、普段通り料理するだけ。
まわりに残ったヨーグルトも調味料として一緒に料理します。
:メタボ対策へアドバイス
緑黄色野菜に多くふくまれているビタミンやポリフェノールなどには抗酸化作用があり、動脈硬化を抑える働きをします。カボチャやトマト、ピーマン、ニンジン、チンゲン菜、そしてブロッコリーなどを積極的に食べるようにしましょう。
また、食事の際は野菜を先に食べることで主食などの食べ過ぎを防ぎ、食物繊維がコレステロールの体内への吸収を抑えてくれますよ。
まとめ
朝食bifixは酸に負けずに腸に届き、さらに増殖するという大きな特徴を持っており、腸内フローラを改善する高い効果を発揮すると思われます。
特に、便秘解消やメタボ対策への効果が期待できるのは嬉しいですね。便秘もメタボもその対策にはバランスの良い食事と適度な運動が大切ですから、食事と生活習慣を見直したうえで、体に嬉しい《朝食bifix》を上手に取り入れましょう。
他のヨーグルトとの比較は、こちらでしています。
>>ヨーグルトで腸内フローラや体質改善を目指している方へ